指名手配中に相次ぐ射殺事件の深層―神戸山口組から離脱した絆會の悲劇

2020年に長野県宮田村で起きた殺人未遂事件で重要指名手配され、警察の追っ手から逃れ続けていた絆會・金澤成樹若頭。しかし彼は、その過酷な潜伏生活の最中、2022年1月の茨城県水戸市での射殺事件、そして2023年4月の神戸市長田区における弘道会系組長射殺事件という、さらなる凶行を重ねていった――。なぜ追われる身でありながら、これほど凄惨な事件を相次いで起こさねばならなかったのか?
UL編集部 2026.06.16
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絆會・金澤成樹若頭

絆會・金澤成樹若頭

 現在、神戸拘置所で殺人、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人)、殺人未遂罪、銃刀法違反罪などの罪により、その身柄を拘束されている絆會・金澤成樹若頭だが、関係者らの話によれば、拳銃を発砲したことは認めた供述をしているのではないかと言われているようだ。しかし組織的殺人や絆會・織田絆誠会長の指示があったかどうかについては、一貫して否認しているという。つまり犯行は全て自分の意志によるものであったという姿勢を崩していないのだ。

 1件の殺人未遂と2件の殺人という極めて重大な罪に問われている金澤若頭だが、公判の目処はいまだに立っていないと言われる。厳密に言えば、どの裁判所で審理されるかも決まっていない。ただ神戸地方裁判所が濃厚と言われている理由は、神戸市長田区で起こした射殺事件が、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人)に問われており、2020年長野県宮田村で起こした殺人未遂罪、2022年1月茨城県水戸市での殺人事件よりも罪状が重いからだ。

 どちらにせよ殺人未遂で全国に重要指名手配されながら、逃走中に2件の殺人事件(その内、1件は組織的殺人)を起こした容疑に問われているのだ。相当、重い刑が予想されるだろう。

 しかしなぜ、金澤若頭は逃走中に2件の殺人事件を起こしたのだろうか。特に不可解なのは、3件目となる2023年4月に神戸市長田区で起こした六代目山口組弘道会系組長の射殺事件だ。射殺された弘道会系湊興業の余嶋学組長はラーメン店「龍の髭(ひげ)」の店長的立場として働いており、組織の公用にも長らく出席していなかったというのだ。そんな余嶋組長をわざわざターゲットにする必要があったのだろうか。

 その陰には、山口組分裂という混迷と悲劇の中で生じた、複雑な人間模様が関係していたのかもしれない。

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