〈秘録〉三代目山健組組長保釈工作の裏で消えた「巨額資金」、そして鳴り響いた「銃声」、組長たちの死【伝説のヤクザ・亀谷容疑者の軌跡②】

9月30日、亀谷容疑者が起こした発砲事件現場と捜査員
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2002年11月25日、JR東京駅八重洲口近くの八重洲富士屋ホテル前の路上で発砲事件を起こした亀谷直人容疑者の裁判は、国選弁護人が担当し、私選弁護士を選任していない。それは周囲の関係者が私選弁護人を付けようとしても、亀谷容疑者が「弁護士なんていらへん。国選の弁護士で十分や」と言って断り続けたからだった。
もちろん事件の内容いかんにかかわらず、当編集部が凶悪事件を肯定するようなことはない。
だが、誰しもが高い金を払ってでも良い弁護士をつけて、1日でも早く社会復帰したい、そして周囲は早く社会復帰をしてほしいと考えるのが、人の欲であり、情というものではないだろうか。
社会では大きなことを口にしている人間でも、逮捕され裁判が始まると、我が身可愛さにか細い声で身を縮めてみせるのが常だ。
しかし亀谷容疑者は違った。どこまでいっても根っからのヤクザであったのだ。
法廷で検察官から、反省や被害者に対する贖罪の気持ちなどはないのかと問われると、亀谷容疑者は鼻で笑うかのようにこう返したと言われている。
「(銃撃した)相手もヤクザやで。こっちもヤクザやってんねんから、何をゆうてんねんな〜」
「おかしなことを言うな〜」とも言いたげに、ありのままの本音を口にしたのだろう。
傍聴席には、五代目山口組で亀谷容疑者の裁判の担当者となった五代目山口組俠友会・寺岡修会長と同じく五代目山口組正木組・正木年男組長の姿があった。
佐藤組が二代目体制に移行する際、最後まで二代目を継いだ細見孝夫組長と、二代目の座を競り合ったのが亀谷容疑者であったと言われている。
亀谷容疑者が率いた六甲連合も、最盛期には約50人の組員が在籍していたと言われていたほどだ。
仮に二代目佐藤組の組長を亀谷容疑者が継ぐことになっていれば、亀谷容疑者のヤクザ人生もまた違ったものとなっていただろう。
関係者らの話によれば、亀谷容疑者の器量は、二代目佐藤組を継承し、五代目山口組の直参へと昇格してもおかしくなかったと述べている。
時は遡り、三代目山健組桑田兼吉組長の保釈を巡るトラブル。前回の記事で触れた「消えた2億円」の真相に迫っていきたい。